『鉄コン筋クリート』を観た

松本大洋の漫画『鉄コン筋クリート』と、それを原作とする同名の映画を観た。

鉄コン筋クリート (通常版) [DVD]

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松本大洋の作品は『竹光侍』だけスピリッツで見たことがある。週刊誌を買わなくなって久しいので、今も続いているかわからないけど、初めて見たときに衝撃を受けたことを覚えている。あの画風が、殺伐とした世界観にぴったりマッチしていた。
「鉄コン」も漫画を先に読んだ。あの絵や展開をどうやって動かすのか期待していたら、まあ驚くほど見事に作りこまれていて感動した。個人的には漫画よりもアニメのほうがわかりやすかった印象。
とりわけ、警察に保護されたシロが彼を見送ったクロに護送車の中から叫ぶシーン、木村に銃口を突きつけられたネズミが事後処理を指南するシーンでは涙ぐんでしまった。後者は漫画版でも半泣きだったが、前者は普通に読み飛ばしていたので、この辺はやはり映像化の恩恵なのだろう。
映画版とアニメ版の印象の違いについていえば、木村の事務所に飛び込むためクロが窓ガラスを叩き割る場面は漫画版よりもかなり演出の控えめな映像になっていた。リアリティというか、生々しさがある描写となっていた。
逆に、イタチ登場後の別次元でのくだりはアニメ版のほうが派手派手しかった。これはこれでよかったが、漫画版のべっとりした描き方のほうが心に迫るものがあったように感じる。
というような言い方だと派手なのが嫌いみたいだけど、アクションシーンの派手さには賛同。陰鬱な世界観で清涼剤のような役割を果たしていると思う。
あと、蛇の手下に追い詰められたシロが指をくわえて悩むシーンがあった。ぼくも困ったときや行き詰ったときに指を噛む癖があるので、あれはかなり切羽詰っているのだなあというのがわかりやすかった。多くの人が持っていそうな癖を演出に取り込むのは面白い試みかもしれない。
テーマ曲になっているアジカンの『或る街の群青』も大好きなんだけど、街の雰囲気はZAZENに出てきそうな感じだなー。